充電器の基礎(3)
まだまだ基礎の話が続きます。
前回は、文字ばかりで説明したので今回は絵で説明します。
説明したのを一覧にすると
こんな感じです。
実際にDCPやApple5W、Apple10W、Apple12Wってのはどのように構成されているか?
これは充電器の中のUSB Type-A出力コネクタ部分の回路です。
上のUSB2は、D+とD-が短絡してDCPモードにしてます。
下のUSB1は、抵抗分圧でD-に2.0V、D+に2.7Vを作ってApple10Wモードにしてます。
充電器の中は、このようになってます。
100均で売ってる格安の充電器などは恐らくですが、
Android用もiPhone用も電源部回路は共通で、このUSBのコネクタ側を少し変えてるんじゃないかと思います。(見たことないので予想です)
こんな感じ。
DCPモードにするには、0Ωを実装。75kΩ、49.9kΩ、43kΩ、49.9kΩを未実装にする。
Apple5Wモードにするには、0Ωを未実装。75kΩ、49.9kΩ、43kΩ、49.9kΩを実装にする。
これで1.5A出力の充電器をDCPとApple5Wモードの共通にすることが出来ます。
簡単ですよね。
この簡単な切り替えを自動で実施してくれる機能があります。
それが、以前に説明した
PowerIQ、AutoIC、お任せ充電、SmartICとか
です。
これらは各社で呼び名が異なりますが、全て同じで機能的に差分はありません。
回路はこんな感じ。EmulaterCと書いた小さいIC1個で実現できます。
同じような機能のICがたくさんありますが、Ankerが使ってるのはこれ。
CW3002。これを使ってるところが結構多いと思います。
(他にも知っているだけで、10種類ほどありますがほとんど同じ機能です)
次回はこのICの機能を説明してみます^^
初めまして。
非常に詳しく勉強になりました。
そこで質問なのですが,
D+,Dーがオープンの場合はどうなるか教えていただけませんか?
ZINさん
D+.D-がオープンの時は、端末により処理が異なります。
例えば、
・大半のmicroUSB入力のモバイルバッテリーの入力は最初からD+、D-を監視していません。
よって製品によっては0.5A、1.0A、2.1Aと様々に異なります。
・スマートフォンなどは、オープンを検出すると能力が分からない充電器として判断し0.5A~1.0A充電になります。(ほとんどが1.0A)
・iPhoneもオープンを検出すると能力が分からない充電器として判断し1.0A充電になります。