モバイルバッテリーのPSE
2018年2月 経済産業省から電気用品の範囲等の解釈について(通達)の改正があり
モバイルバッテリーがPSEの対象となりました。
どのような内容か簡単に説明すると
1)今まではモバイルバッテリー(容易に分解出来ない構造のモノ)はPSE対象外であったのが対象となりました。
2)対象となるモバイルバッテリーは体積容量400W/L以上のモノが対象(ここは変更なし)
モバイルバッテリーの中のセルが400W/L以上だと対象になります。
18650サイズだとほぼ対象。リチウムイオンポリマーもほぼ対象だと思って良いです。
3)技術基準(別表第9)に適合すること。
4)検査は全数 外観と出力電圧を確認する。
ということです。
ところでPSEって認証ではないんです。
PSEに適合してますよ~と届け出を出して、PSEマークを付ける。
これは製造者や輸入業者の義務なだけなんです。
更に、提出するのは”技術基準に合格しています”という証明だけで、技術基準に適合しているかの試験結果は必要なかったりします。
言い換えると、〇PSEマークを付けるのに、認証試験など無いので
〇PSEマークを付けたければ適当な証明書付けて申請すれば〇PSEマークを付けることも出来ます。
もっと極端な話をすると、勝手に〇PSEマークを付けて販売することもできます。
認証では無いので、勝手に〇PSEマークを付けて販売することが可能なんです。
販売店が資料を要求して確認して売ってくれればOKですが、ネット販売などではそんなことは無いでしょう。
たまに、指定機関が抜き打ちで試買(しばい)テスト(試しに購入して試験する)ってのをしたりしますが、それに引っかからなければ分かりません。
ネット販売などでPSEマーク付きと言ってシールを付けて売ってる、中国から直送してくるような製品は勝手につけてるかも?と思った方がよいかもです。
『PSE認証』って書いて売ってるのも、PSEのことを理解していないんだと思います。先ほど書いたようにPSEは認証ではないんです。取得ってのも少し違います。
ってことは、認証って書いて販売しているのはPSEを分かっていない。=怪しいってことです。(ユーザーに分かりやすいようにって心使いかもしれません)
これらを踏まえ、
PSEマークが付いていれば安心か?というとそんなこともありません。
粗悪な製品が出回らない抑止効果はあると思います。
モバイルバッテリーの事故の大半はセルの製造にあると思います。
セルの中に異物が混入したりセパレータの作りが悪かったり。
技術基準に合格したり、出力電圧や外観を検査したところで、製造上でセルの中に異物が混入したかなんて全然分かりません。
でもこれは今まで規制がなかったモバイルバッテリーに対して、まず規制の一歩踏み出した。という意味があることだと思っています。