モバイルバッテリーの効率について
関連記事
モバイルバッテリーの効率について(まとめ)を読んでください。
ちょっと調べているとあまりにも酷い記事を見かけたので・・・
特定記事を否定するようなのは描きたくないのですが、ちょっと酷すぎるので訂正の意を込めて
(記事は年々更新されるようです酷かった2017年の記事のLink)
同じ容量でもスタミナは段違い… モバイルバッテリー最強ランキング18選
ここで一位になっているankerのモバイルバッテリー
・・・・
ロス率って何でしょうかね?
ここでは明確に書かれていませんでした。
10,000mAhに対して、8,100mAhと書かれています。
他の記事を読むと
手持ちの端末を利用して、バッテリーがゼロになるまで放電を継続した実容量のテストを行ってみると、
公称容量10000mAhに対して実測容量は8100mAh(ロス率19%)を記録。
5000円を超える高額モデルのものでもロス率は30~40%のものがざらにある中、
このロス率の少なさは驚異的です。
と書かれてました。
なるほど。一応出力の低下率を測っていたのですね。
先のサイトで示しているロスはmAhの低下だけを示していて正しい表現ではないです。
私の本説明の中では
ロスはエネルギーの低下
mAhの低下を出力容量の低下
と表現します。
Ankerさんをけなすつもりも褒めるつもりもありませんが先のサイトで、
他メーカー製品をロス出力容量の低下率49%や51%なんて酷い評価をされていたので、
ちょっと言わせてもらいます。
ロス出力容量の低下率が74%を超えることはありません。
それは何故か?
電気的にはロスってのは損失するエネルギーを示します。
エネルギー(電力)で考えると
バッテリーセルの電力3.7V10,000mAh=37Wh
が
モバイルバッテリーの出力5V8,100mAh=40.5Wh
に変換されるとなるとエネルギーは減少していなくて増加していることになります。
あり得ない話です。
モバイルバッテリーのセルが3.7V/10,000mAhだとすれば、そのセルが出せる出力は37Whです。
これをモバイルバッテリーは5.0Vに昇圧して出力します。
バッテリーセル37Whが出せる5.0V出力は?
37Wh/5.0V=7,400mAhです。
出力容量の低下は74%ですね。
3.7Vを5.0Vにするのでこの値を超えることは無いです。
5.0Vにするために変換するICが電力を消費しましす。
その電力はバッテリーセルから消費します。
変換するICの効踵腓電力が10~15%くらいです。
つまり37Whの100%を出力することは出来ず、出力は85%~90%だとして計算します。
効率の良い90%として計算すると 7,400mAh*90%=6,660mAh です。
よって先のサイトに書かれていた8,100mAh(ロス出力容量の低下率19%)は出せないのです。
出力容量の低下は平均で60~66%くらいです。
これはモバイルバッテリーの基本です。
セルが3.7Vじゃなくて4.5Vなんだよ!なんてことは言わないでください。
最大で4.2V、平均電圧だと3.6~3.8Vです。
(最大4.2Vってのはずっと4.2Vって意味じゃなく、どんどん減っていきますので。4.2では計算してはいけません)
たまたま私の手元にロス出力容量の低下率49%などと酷い評価をされていた
RAVPower 20100mAh クイックチャージ モバイルバッテリー RP-PB043
(リンク切れたので RAVPower 20100mAh クイックチャージ モバイルバッテリー RP-PB043レビュー 参照してください)
を持っていたので、効率を測ってみました。
条件は2.0A固定出力です。容量は、12,060mAhでした。
ほぼ60%(ロス出力容量の低下率40%)の普通のモバイルバッテリーです。
先のサイトでは、恐らく端末で放電させて、USBテスターに表示される容量表示を鵜呑みにしたのでしょう。
Ankerさんは81%などというあり得ない値を書かれて褒められて良いですが、
ロス出力容量の低下率49%とか51%とか書かれたメーカーにとっては名誉棄損問題だと思います。
49%や51%というロス出力容量の低下率ってことは、セルの容量記載に偽りあり。と評価しているようなもんです。きちんと作って評価している製品のロス出力容量の低下は60~66%くらいです。失礼です。
ロス出力容量の低下率が50%など低くなった時は、何か測定条件がおかしいと思いましょう。
・電流は何Aで引っ張ってますか?
引きこむ電流が大きければ放電の停止は早くなります。3.0A放電の時の容量と1.0A放電の時の容量だと1.0Aの時が大きくなります。これも当たり前のことです。(そのうち解説します)
・どこか別のところでロスするような条件はないですか?
ケーブルが長くなれば電流はロスします。
・充電はきちんとしてますか?
・使っている測定器は?正しい値を表示しますか?
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この手のUSBテスターの容量表示は目安程度です。そもそもUSBテスター測定値の電圧、電流に誤差がありますから。
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少なくともデータを取るために設計されたこの手のUSBテスタを使いましょう。
他にも色々言いたいことはあるのですが、今日はここまで。
どこのブランドの名誉挽回のために動くつもりもありませんが、もしかしたら記事訂正検討を依頼するかもです。
記事は更新されてます。
2017年 同じ要領でもスタミナは段違い・・・モバイルバッテリー台中ダントツの1位は?
2019年 モバイルバッテリー おすすめランキング 19選|軽い・安い・大容量の逸品を発見![2019年最新版]
ここまで酷い内容です。
2020年-2021年 【2021年】モバイルバッテリーおすすめランキング30選|大容量人気モデルを比較
で担当編集が変わったようで凄くまともな記事になってます。
始めまして。
書かれていることは理解できたですが、質問させてください。
単純に、USBの積算メーターを接続して計測対象のモバイルバッテリーを充電した場合に表示される数値はロスは発生せずというか発生してもプラスだと思うのですが、評判の良いanker製バッテリーは、充電電流積算 5796 公証容量 7800 実容量比 0.74となったのですがこれはどうなるのでしょう?
他のメーカー製はほとんど表示容量以上に充電されるものがほとんどだったのですが、Amazonの製品レビューでのメーカーの回答でも充電時計測で60%以上であれば適正値との記載がありましたので疑問に思っています。
なにか勘違いしているようでしたらご指摘お願いします。
私も最近モバイルバッテリーの容量に疑問を感じ、こちらのサイトにたどり着き
大変勉強になりました。
5796はmAhですよね。 思うに、5V換算なのではないでしょうか。
USBチェッカーがWh表示も併記しているものであれば、そちらで計算された方が良いと思います。
5,796mAh * 5v = 28,980mWh
28980mWh / 3.7v = 7832mAh ・・・モバイルバッテリの充電容量。性能通り!?
スマホ等への充電時はUSB介すので昇圧、5796mAh に0.8掛けて 4636mAh程度充電が可能ということになるのではと思います。
主様違っていたらご指摘ください。
Ankoさん。はじめまして。
充電容量なのか放電容量かでお話が変わってきますが、あくまでよしのりさんのおっしゃるのは 充電容量(モバイルバッテリーを充電)として会話します。
モバイルバッテリーの充電に関して、全てではないですが5V→3.7Vに変換するのにステップダウンコンバータを使っています。
この場合、電圧は変換されますが、電流はほぼそのままバッテリーセルにチャージされることになります。(あくまで”ほぼ”です)
電力的に考えると
充電電力が5V*7800mAh=39Wh セル容量が3.7V*7800mAh=28.86Wh だとすると
この差分の39Wh-28.86Wh=10.14Whが5.0V→3.7Vに変換するのに使用された電力。
ということになります。
スマホへの充電に関してはAnkoさんのおっしゃる通りで 3.7→5.0Vの昇圧です。
3.7V→5.0V(消費電力を無視)で電力換算で0.74倍。
3.7V→5.0Vで消費する電力で0.9倍。
になります。
この場合、USBテスタに表示されるのは5.0Vの容量ですのでこれに何かをかけたりする必要はありません。
5760mAhとテスタに表示されるのであれば、放電容量は約5760mAhです。
PSEにより2月から定格容量(出力電圧での)の記載が必要になるはずです。
各メーカの記載内容に注目したいですね。
今後もよろしくお願いします^^
早々にありがとうございます。
5760mAhがモバイルバッテリー充電時にテスターに表示された値であれば、スマホ充電時の昇圧分が加味されていない為、改めて0.9倍ですね。
スマホ充電時にテスターを挟んでいれば、テスターに表示された値が昇圧後の値なので、0.9倍が不要で認識しました。
PSEで2月から変更になるんですね。メーカー記載変更あるか期待して待ってみます。
よしひろさん。はじめまして。
Ankerのモバイルバッテリー 公称セル容量 3.7V/7800mAh。を充電した際に 充電電流積算 5796mAhになった。
ということで良いでしょうか。違ったら以下の説明は違うのですが
充電容量は大よその目安ですが、公称セル容量の100%を超えることはありません。90%~100%くらいです。
それは完全に放電しきれないからです。放電しても少し容量は残ります。放電完了した際に残容量があれば、当然充電容量はその分少なくなります。
また放電する電流によっても残る残量が変わります。大きい電流と小さい電流で比較すると大きい電流の方が放電完了になるのが早く(時間ではなく容量的に)なります。
3.0Aで放電した際と0.1Aで放電した際は、0.1Aで放電したほうがより残量を少なくできるという意味です。
PSE的には定格容量の測定は、
0.2ItAで放電 ⇒ 通常充電 ⇒ 0.2ItAで放電した際の容量を測定する。(他にも細かいことがあるのですが)
という規定になっています。
※0.2ItA:大体の意味は5時間で放電が停止する電流値と理解してください。
この場合で放電容量は公称セル容量値の約60~65%が普通になります。
また、バッテリーは劣化するので充放電を繰り返せば、セル容量は低下します。
大よそですが一般的なセル(マンガンやニッケル)400回の充放電(100%の充放電)で容量は60%以上です。
(そのくらいまで低下する可能性があるってことで)
1000回充放電保証(これも60%以上保証)をうたっているのはコバルトを使っていると思います。
これらより私の見解は
・公称セル容量値以上に充電出来ることはありません。その場合は測定環境による誤差だと思います。
・充電容量は、その前の放電状態により結果が異なります。私はバッテリーの能力は放電容量で考えることにしています。
・充電容量、放電容量ともに、正しく測定したければ低い電流で放電する必要があります。
ということになります。
またコメントしていただけますとうれしいです。(滅多にコメントないので・・・^^;)
はじめまして。
モバイルバッテリーについて調べていたらこちらの記事にたどり着きました。
疑問に思ったのですが9Vや12Vなどの大きな電圧で充電するQuickChargeはもっと損失が大きいということでしょうか。
まりもさん。はじめまして
ICの損失は大きいでしょうが目に見えて大きいという程では無いですかね。
バッテリーの出力容量は電力の大きい方が早く出力停止になるでしょうから、出力容量は小さくなると思います。
ご回答ありがとうございます。
あんまり気にならないということですかね。
参考にしてモバイルバッテリーを選んでみたいと思います。
積分やエネルギー保存則とかエントロピー増大の法則とか・・・
中学からやり直せって感じです。トホホ