モバイルバッテリー出力電流計算
モバイルバッテリーの出力電流を大きくしたい場合どのようなモノを選択すれば良いか?
大まかなところですが、バッテリーセルの出力能力に依存します。
バッテリーは放電レートCという単位で表します。
Cはクーロンではなく、キャパシティ(Capacity)の略です。
これはバッテリーが1時間で放電が完了する電流量を示します。
20,000mAhのバッテリーセルであれば、1Cは20Aです。
このCが重要になってきます。
おおよその市販モバイルバッテリーのバッテリーセルの最大放電レートは1Cだと考えてください(たまに高レートのモノは1C以上があります)
では、3.7V/10,000mAhのセルを搭載したモバイルバッテリーが放電出来る能力は?
3.7Vは平均の電圧で、満充電時は4.2Vくらいあります。
4.2V*1C=4.2V*10A=42Wh は満充電の時にセルが放電できる能力です。
これはセルの放電能力なので、バッテリー出力の5.0Vに変換し電流を求めます。
5.0Vするのに効率が0.8くらいかかるものとして計算すると
42Wh/5.0V*0.8=6.72A これがセルが満充電の時にバッテリーが出力できる電流です。
セルの電圧は満充電の電圧は4.2Vですが、空に近くなると3.0Vになります。
同様に計算すると
3.0*1C=3.0*10A=30Wh これがセルが放電しきる時くらいの放電能力です。
先ほどと同じように、バッテリー出力の5.0Vに変換し電流を求めます。
30Wh/5.0V*0.8=4.80A これがセルが空に近い時にバッテリーが出力できる電流です。
よって10,000mAhのバッテリーは5V/4.80A~6.72Aを出力する能力があります。
これが5,000mAhのバッテリーセルだと
満充電時は
4.2V*1C=4.2V*5A=21Wh
21Wh/5.0V*0.8=3.36A
ほぼ空の状態だと
3.0*1C=3.0*5A=15Wh
15Wh/5.0V*0.8=2.40A
となります。
5,000mAhのバッテリーは5V/2.40A~3.36Aを出力する能力があるという結果になります。
これは逆に2.4A出力を維持するには5,000mAh以上のセル容量が必要になるということです。
さらにここから言えるのは、5,000mAhのバッテリセルのモバイルバッテリーでは3.0A(Type-Cなど)の出力をずっと維持することができません。途中で3.0A出力を維持できなくなります。
まぁ今のところType-C3.0Aを要求する端末でも3.0Aをずっと引き続けることはしないので、3.0A出力をずっと維持する必要はありません。
この計算を知識として覚えておきましょう。