Quick Charge と Power Delivery(1)

Quick Charge と Power Delivery この話は結構奥が深いです。

両社ともに充電高率を上げるための急速充電規格です。

Quick Charge は Qualcom が定めた規格です。

Power Delivery は USB Implementers Forum,Inc. が定めた規格です。


Quick Chargeとは?

ここではQuick Charge3.0までとし、Quick Charge 4、Quick Charge 4+の説明は省きます。Quick Charge 4、Quick Charge 4+はPower Deliveryでもあるので話がややこしくなるので

 

・電圧を5Vより高くすることで急速充電を実現しています。最大は18Wです。

規格 電圧 電流
Quick Charge 1.0 5V 2A
Quick Charge 2.0 5V、9V、12V 3A、2A、1.67A
Quick Charge 3.0 3.6V~20V(200mV単位で変動) 2.5A~4.6A

 

・充電電圧は、D+,D-の電圧を変化させることで変更します。

Quick Charge 2.0、Quick Charge 3.0の基本は下表のD+,D-の電圧の組み合わせで決まります。

D+ < 0.4V 0.4V < D+ < 2.0V 2.0V < D+
D- < 0.4V Apple Mode 5V 5V
0.4V < D- < 2.0V Apple Mode 12V 9V
2.0V < D- Apple Mode Continuous mode 20V(Undenfined)

5V出力の設定  ⇒ D+:**V、D-:0.4V以下

9V出力の設定 ⇒ D+:2.0V以上、D-:0.4~2.0V

12V出力の設定 ⇒ D+:0.4~2.0V、D-:0.4~2.0V

 

Quick Charge 3.0で200mV電圧を変化させるには

D+:2.0V以上のパルスで200mV増加

D-:2.0V以下のパルスで200mV減少

で変化します。

 

・Quick Charge 3.0までは下位互換です。

(Quick Charge 4、Quick Charge 4+の話はPower Deliveryの説明の後で)

 

・Quick ChargeはD+,D-の電圧で制御できる

D+,D-電圧で制御できるため、。micorUSB,Type-A,Type-Cなどの多様なケーブルで実現することが出来ます。

 

・Qualcomの規格のため、Snapdragonを搭載することで実現可能です(ほぼ)。

よって導入が簡単です。


Power Deliveryとは?

・電圧と電流を高くすることで急速充電を実現しています。最大は20V/5A(100W)です。

 

・パワールールによるネゴシエーションにより制御を行っている。

下表はPower Delivery3.0のパワールールです。

パワールールは、機器間での給電・受電の際に混乱が生じないように電圧と電流の条件を整理したものです。

USB Power Deliveyでは電源供給元(ソース)、供給先(シンク)、ケーブルなどの全てが自分の電圧電流などの能力を数値として持っています。

そして、このパワールールに従い ソースの電力 ≧ シンクの電力(ケーブルも)であれば動作を保証します。

 

・ロールスワップ

ロールスワップとは、機器の役割をスワップ(入れ替え)することを言います。

Power Delivery3.0+Type-Cの組み合わせでは、

パソコン ← モバイルバッテリー で供給していた電力を

パソコン → モバイルバッテリー のように逆に供給することが簡単にできます。

今までですとケーブルの接続を変更するなどが必要ですが、双方向のType-Cコネクタを使用していれば、ソースとシンクを入れ替えることで接続を変えることなくできるのです。

 

Power Deliveryの説明はType-Cを含めて説明するともっと深いモノになります。

今回はここまでで^^;


Quick Charge 4、Quick Charge 4+

Quick Charge はAndroidスマートフォンを中心に発展した規格ですが、GoogleはQualcomの独占状態を好ましくないと思ったのか、デバイスメーカーに対して USB PD標準以外の電圧を変化させる方法で充電を行う独自技術について、互換性問題からサポートは”強く非推奨”と通達しています。つまりQuick Chargeを使うなってことですね。

Googleが「Quick Charge」などUSB PD以外の急速充電技術排除に向かう理由

それに対する対応でしょうか。

Quick Charge 4は、Power Delivery互換になっています。Power Deliveryとして販売するか、Quick Charge 4として販売するか、どちらでも出来るというスタンスになってます。

当然、Quick Charge 4は下位互換機能はなくなってしまいました。

Quick Charge 4+は、下位互換機能があるタイプです。

(中国製ICは比較的、Quick Charge とPower Delivery両方に対応しているのがあります。Quick Charge 4+とか関係なしにです^^;)


纏め

・一般的なイメージでは

Quick Charge ・・・スマートフォン向け

Power Delivery・・・パソコン向け

・導入のしやすさ

圧倒的にQuick Charge です。Type-A、microUSBで実現できるため、幅広いデバイスで利用できます。

・デメリット

Quick Charge のデメリットは充電専用規格ってことです。D+、D-の電圧で規定されるため、充電中はデータ通信が出来なくなります。

Power Deliveryのデメリットは導入の敷居が高いことです。充電器、デバイス、ケーブルなど全ての機器がPower Delivery対応である必要があります。

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