モバイルバッテリーは自然放電するのか?

モバイルバッテリーを使っていると思うことがあります。
どのくらい自然放電するの?

 

家電量販店などで尋ねると
「モバイルバッテリーは自然放電します。だから1ヵ月に一度は必ず充電してください」
と言われました。

ほんと?そんなに自然放電するんじゃ使えなくない?
ってことで調べてみましょう。


(2019年3月28日 初稿)

今回、調査対象にするのは
au+one collectionのポータブルバッテリー Slim10000

この機種にした理由は、残量を数字で表示してくれるからです。
でもその残量表示が正しいかは調査が必要。

調査方法は
・定格電流(この機種では2.4A)の負荷をかけて出力特性を取得。
出力特性からバッテリー残量を計算
・上記状態での残量表示を調べる(1分置きに確認)
・計算した残量と表示の一致を確認する。
で調査します。

調査結果、ほぼピッタリ一致します。

流石auで扱ってる製品ですね!

さてここから、
・満充電にする。
・充放電しないようにUSBポートを塞ぐ
で一ヵ月放置しました。

結果
残量は100%のままです。

実は他のモバイルバッテリーでも同じような確認をしましたが
3月以上経過しても1%も減りません。

いや!私のモバイルバッテリー充電するとインジケータ(4個のLED)が充電状態になりますよ!って方もいるでしょう。
満充電状態で再度充電してもインジケータは充電状態表示になります。
だからと言って自然放電した訳では無いってことです。

もちろん、全てのモバイルバッテリーがそうだとは限りませんが、そんなに自然放電ってのは大きく無いってことで覚えておきましょう。


(2019年12月17日 更新)

放置してから約1年経過しました。
1年経ったらどのくらい減るの?
ということで新たに検証してみます。
ターゲットは前と同じく

au+one collectionの
ポータブルバッテリー Slim10000

 


1年放置してから確認すると、表示はまだ100%表示のままでした。
これ本当?との疑問が
そこで、1年放置状態のバッテリーを放電試験して放電容量を測定してみます。
1年放置したモバイルバッテリーの放電容量を測定して、1年前測定した放電容量と比較してみると差が分かるだろうということです。

1年前購入当初の放電容量は、32Wh(5V6400mAh)くらいです。
では1年後の放電容量は・・・23Wh(5V4600mAh)でした!

減ってる!
4600mAh÷6400mAh=0.718 残容量が71.8%になってます。

ということで25~29%くらい1年間で自然放電しているようです。
ということは、年25~30%減るから100%にして放置しておいても3年は持つということかな?


結論。
前回と異なりますが、

自然放電はします!10000mAhのモバイルバッテリーで1年間で25~29%、月辺り2~3%程度自然放電しています。

・LED表示は必ずしも正しいとは限らない。これは恐らくセルの電圧で決めているので仕方ない


今回は少しだけ技術的に。
・何故自然放電が起きるか?
・自然放電って何?

これは待機電流による物が大半です。

待機電流?
家電製品で待機電流が発生するからコンセントを抜く。
それと同等です。

スイッチを押せばすぐに起動する。
コネクタを挿せばすぐに出力がONする。

モバイルバッテリーは、常に一部の回路を有効にした状態で待っているのです。


では、待機電流ってどのくらいなの?

一般的なセル容量が5,000~20,000mAhくらいのモバイルバッテリーであれば

待機電流は100uA~200uA程度です。

電源をOFFにしててもそのくらいの電流を消費しています。


この図で説明してみます。

10,000mAhのバッテリーセル。
製品購入時は60%程度充電されているという想定で表現しています。

待機電流は150uAとして考えます。

この60%はどのくらい持つか?計算してみます。

60%の容量 : 10,000mAhx60%=6,000mAh
待機電流 : 150uA=0.15mA

6,000mAh / 0.15mA = 40,000h
40,000h / 365日 /24時間 = 4.56年

なので4年半くらいは持ちます。
待機電流200uAだとしても3.42年

ですので60%くらいの充電量で3年~4年くらいは持つと考えてください。
※あくまで待機電流が150uA程度って前提です。


意味深に書いた0%の下に赤枠。何を示しているのか説明します。

0%になってもバッテリーセルには容量が残っているのです。
0%ってのはあくまで出力が可能な範囲。
放電して0%になってもまだ充電できますよね。充電するための回路を動かす分の容量が残っているのです。

0%以下の容量も待機電流によって減っていきます。

セルや保護回路によりどこまで持つかは違いますが半年くらいでしょうか?
0%にしてから赤い部分も無くなってしまうくらい放置(完全放電)しておくと充電できなくなることもあると覚えておきましょう。
(0%から更に完全放電しても動くようになる製品もあります。保護IC次第で)

ですので、60%くらいを維持できるように3か月周期くらいで充電をしてあげることをお勧めします。

※機能が多くなると待機電流が大きくなります。この計算はシンプルなモバイルバッテリー基準です。

待機電流が大きい粗悪品に関しては、この記載の限りではありません。


 

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