モバイルバッテリーの効率について(3)
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ちょっといろんなサイトを見ていたら間違った認識があったので
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大まかに書くと
1)モバイルバッテリーからスマートフォンへの充電には3.7V→5Vに電圧を昇圧する必要がある。
3.7V 3000mAh→5.0V 2400mAh。ここで約20%ロスする。
2)スマートフォンのバッテリに充電するには5.0V→3.7Vに電圧を降圧する必要がある。
5.0V 2400mAh→3.7V 1920mA。ここで約20%ロスする。
3)よって40%ロスするので60%くらいになる。
と書かれています。
大きく間違えているのはロスの考え方です。ロスとはこの場合、電力ロスになります。
・モバイルバッテリー → 充電電圧
3.7V 3000mAh→5.0V 2400mAhの変換が行われていたとすると、ロスは発生していません。
3.7V*3000mAh=11.1Wh が 5.0V*2400mAh=12.0Wh に変換されているのでロスでは無く増えています。
・充電電圧 → スマートフォン
5.0V*2400mAh=12.0Wh が 3.7V*1920mAh=7.1Wh に変換されているので一気に40%近くロスしています。
では何が正しいか?
・バッテリーセル → モバイルバッテリー出力
3.7V*3000mAh=11.1Wh は 5.0V*1860mAh=9.3Wh 程度が正しいです。15%程度ここでロスします。
この15%は昇圧に使われるICが使用する電力と発熱がロスとして発生します。
・モバイルバッテリー出力 → スマートフォンのバッテリーセル
ここで発生するロスはスマートフォンがロスする話なのでモバイルバッテリーの容量には関係ありません。
スマートフォン内部ではセルに充電するのに5.0V→3.7Vに降圧しますが電流はほぼそのまま伝わります。
5.0V 1860mAh は 3.7V 1860mAh となり電圧降下しますが電流は変わらず充電されると考えてOKです。
(5.0V*1860mAh=9.3Wh が 3.7V*1860mAh=6.88Wh になっています。この電力ロスはあくまでスマートフォン内部でのロスです。)
中々、電気的な話で理解できないと思いますがこのように考えて欲しいと思います。