モバイルバッテリーの効率について(まとめ)
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未だ誤解している方(主にサイト運営の方)が多いです。
なるべく分かりやすく纏めてみようと思います。
大切なポイントをいくつか挙げます。
・電力で考えましょう
10000mAhのセルのモバイルバッテリーを例にして
セル容量は3.7V10000mAh
モバイルバッテリーの出力が5V6000mAh
だとして6000mAh/10000mAhなので効率60%になる。ってのは間違ってます。
効率は電力で考える必要があります。
セル容量は3.7V10000mAh ⇒ 37Wh
モバイルバッテリーの出力が5V6000mAh ⇒ 30Wh
30Wh/37Whなので効率は81%です。
これが正しいです。
・3.7V10000mAhのセルでモバイルバッテリー出力が5V7400mAhを超えたらおかしいと思いましょう。
上記に書いた内容より、通常のLi-ion polymerの
セル容量3.7V10000mAh ⇒ 37Wh
これを単純に5V出力として考えても
37Wh/5V=7400mAh
変換ロス0%で計算してこれですのでこの値を超えることはありません。
(稀に3.7Vじゃなかったり、誤差が大きいセルだったりする時がありますが大きく外れることはありません)
実際には変換ロスは10~20%くらいあるので
37Wh/5V*80~90%=5920~6660mAh
になります。
・出力の定格容量は製品に書いてあります(あるべきです)。
電気用品安全法(PSE)に正しく従っているメーカーはモバイルバッテリーの出力容量は記載することになっています。
これは法律なので必須ですが、実際には書いてあるメーカーの方が少ないです。
私が見たところ、
オウルテックは全ての製品に記載してありました。
その他では
Filipsのモバイルバッテリーに記載がある
の以外ほとんど見たことが無いです・・・・
有名どころのを確認しましたが
Anker NG(記載なし)
RAVPower NG(記載なし)
エレコム NG(記載なし)⇒ 書いてある製品もありました。随時変更中なのかな
Cheero NG(記載なし)
Air-J NG(記載なし)
Willcom NG(記載なし)
morphy NG(記載なし)
でした。
※これらを購入しても購入した方にペナルティは無いです。
この出力の定格容量ですがJIS C8711の3.5項に記載された方法で測定する必要があります。
その詳細は細かすぎるのでおおよそで書くと、3段階で測定する必要があり
1)まず0.2ItAで放電
2)次に定格で充電
3)最後に0.2ItAで放電した際の容量を記載
となっています。
0.2ItAって何?
簡単に説明すると5時間で放電しきる容量です。
3.7V1000mAhのセルを搭載したモバイルバッテリーの場合。
実はセルの容量では無く、モバイルバッテリーとして計算する必要があるため
5V6000mAhと仮定するとこれを5時間で放電しきる電流はおよそ1.2A(6000mAh/5時間)です。
ですので
1)まず0.2ItAの1.2Aで放電
2)次に定格で充電
3)最後に0.2ItAの1.2Aで放電した際の容量を記載
となります。
一般の方が定格負荷(例えばiPhone11を接続して2.4Aとか流す)よりも負荷は小さく、容量としては大きな容量を出力できる設定になっています。
またこの容量は法律に定められた方法で記載していますので、これを大きく逸脱することは無いはずです。