モバイルバッテリーについて
凡その人がモバイルバッテリーの中のリチウムイオン電池とリチウムポリマー電池ってのが別の物と考えているようです。(正しくは二次電池ですが、分かりやすいように電池とします)
もちろん別物なんですが。
凡その方が思っているイメージをもとに纏めます。
・リチウムイオン電池ってのは大枠の名称です。リチウムポリマー電池はリチウムイオン電池の中の種類の一つです。正しくはリチウムイオンポリマー電池です。
・リチウムイオン電池には「円筒型」、「角型」、「ラミネート型」があります。
「円筒型」は皆さんがリチウムイオン電池と呼んでいる乾電池のような形状の18650、21700などです。
「角型」が一番見かけないと思いますが、ガラケーやデジカメの電池のような角型の構造です。アルミ缶で覆われているパターンが多いです。
「ラミネート型」がリチウムポリマー電池です。
・リチウムポリマー電池が安全。という噂がありますがそんなことはありません。円筒型の方が安全です。
では何故リチウムポリマー電池が安全というのが噂が出たのか?リチウムポリマー電池は電解質がゲル状になっている為、液漏れしません。
それが安全であるという誤解を招いたと思っています。
衝撃・圧力・温度などには3種類(「円筒型」、「角型」、「ラミネート型」)の中一番弱いです。
・過充電、過放電って?
リチウムイオン電池に過充電や過放電をすると危険なのは正しいです。では過放電、過充電って何?
過放電:リチウムイオン電池の電圧が0.6V以下になると、化学的な話で面倒ですが負極の塗布材料がイオンになって電解質に放出され・・・・(略します。^^;)
電池の劣化や事故などに繋がる恐れがあります。危険です!
過充電:リチウムイオン電池の電圧が4.2V以上で充電しようとすると発熱が大きくなり、化学変化によるガスが発生し危険です。
過充電や過放電が起きるか?と言うとほとんど発生しません。
何故なら電池と一緒に保護ICが搭載されており、電池の電圧は3.0V~4.2V内(保護ICにより異なる)で使用するようになっているからです。設定の電圧を超える時は充電や放電を停止します。
皆が思っている過充電、過放電って?
巷でいう過充電:100%と表示されたスマートフォンをずっと充電し続けること。トリクル充電という状態が継続されバッテリーの劣化になります。
巷でいう過放電:0%になり電源が落ちた状態を放置すること。実際には3.0V近辺で回路が動作しませんが、電池には残量が残っています。0%まで使っていると劣化に繋がりますし、0%の状態をずっと継続すると待機電流により本当の過放電状態に陥ることもあります。
危険というよりも寿命を延ばすために0%を放置や充電しっぱなしにするのは控えましょう。
・チラッとどこのWebサイトで見かけたのですが、「フィリッ○○の独自技術NTCサーミスタでバッテリーを熱から保護する」って画像があったのですが、NTCサーミスタってのは一般的な熱で抵抗値が上がる保護素子の名称で、フィリッ○○の独自技術ではありません。
ちょっと気の利いたモバイルバッテリーならどれでも搭載しています。(フィリッ○○は以前は”独自技術”って書いていたようです。今は書くのを止めたようですね。)
・パススルーは便利?
パススルーってのは、AC充電器とモバイルバッテリーを接続。更にモバイルバッテリーをスマートフォンなどと接続した際にモバイルバッテリーの充電よりスマートフォンの充電を優先する方式の総称です。
スマートフォンを満充電にしてからモバイルバッテリーを充電しますが、実際にはスマートフォンを充電しながら余った電流をモバイルバッテリーに充電しています。
これが便利って思っている方が多いようですが、私的にはそうかな?と思います。
今時、スマートフォンとモバイルバッテリーを持っている方ならAC充電器は2つ以上もしくは複数ポートのAC充電器を持っていると思います。
であれば各々を個別に充電した方が早いです。
パススルー充電は、モバイルバッテリーの発熱が大きくなり危険な状態になる可能性があること。更にモバイルバッテリーの寿命が短くなります。
またスマートフォンの充電としても充電時間が長くなる可能性があります。
2つ接続するのが面倒。と言う方もいると思いますが、実際には(1)AC充電器とモバイルバッテリーを接続する。(2)モバイルバッテリーとスマートフォンを接続する。
という2つのSTEPをが必要なことはAC充電器で個別に充電するのと変わりありません。充電時間は個別で実施すればスマートフォン3時間+モバイルバッテリー3時間だとして、パススルーで充電:3+3=6時間。個別充電3時間です。
私はパススルー機能付きモバイルバッテリーを持っていてもパススルーは使いません。
例外的にAC付きモバイルバッテリーはまぁ使ってもいいかなと思います。その為の製品ですから。バッテリー劣化が早いことだけは意識しておきましょう。